高山市で町屋再生研究会発足
不動産流動化に活路
--岐阜新聞 濃飛抄 2007年 7月27日(金)掲載
高山市の中心市街地に残る伝統的な木造建築物「町屋」を活用し保存していこうと、同市内の不動産や建築設計を営む事業者らが中心となって「飛騨高山・町家再生研究会」を立ち上げた。
高山市は「古い町並み」に代表されるように町屋の歴史的景観は、伝建(伝統的建造物群保存)地区として保存の取り組みがなされているが、それ以外の中心市街地に残っている町屋は、空き家になったり取り壊されたりするところが目立ってきている。
同研究会の発起人で事務局長を務める飛騨プロパティマネジメントの井上正社長(37)は「町屋の多くは高齢者が住み、老朽化した家屋の管理維持は困難。空き家になっている家屋も少なくなく、新建材で建て直されたり、解体され駐車場などに利用され、中心市街地が歯抜けの状態になりかねない」と指摘する。
具体的な事業としては、空き家などになった町屋を買い取り、改修の上、賃貸物件として再生させる。買い取りや事業運営にあたっては、「不動産流動化」の手法を取り、町屋の資産を証券化し、地元を中心に広く出資者を募り、資金調達をしていく計画という。
不動産流動化は、不動産を多数の証券に分割することで、単価の安い権利を多くの人が所有できるようになり、資金調達がしやすくなるメリットがある。利用価値が低迷している不動産の価値を高め、市場を活性化する有効な手段となっている。同研究会の「町屋再生」は、このノウハウを生かしたユニークな取り組みと言える。
今後、会員を募り、秋に設立総会を開き、活動を本格化させる。年内には再生第1棟事業に着手する予定という。「町屋再生の啓蒙活動や調査、所有者らとのネットワークづくりを目指すとともに、“職・住一体”となった中心市街地の活性化に取り組んでいきたい」と井上社長は語る。
同研究会では、12月に京都市で開かれる「第2回全国町家再生交流会」に参加、他地域との連携も深めながら活動を広げていく。
町屋再生と同時に中心市街地活性への新たな取り組みが実を結ぶことを期待したい。
(ひだ高山総局長・岡田敬史)